KEY OF FUTURE
CASE 03

日系自動車産業の
海外展開を支える、
グローバル・
サプライチェーンを構築

ここ数年、日系自動車産業は海外の
自動車成長市場への取り組みを加速化。
そうした中、重要な課題の一つとなっているのは、
原料樹脂の現地調達によるコスト低減だ。
三菱商事プラスチックは、
三菱商事の海外拠点を活用し、
また国内で培ってきたノウハウ、経験のもと、
グローバル・サプライチェーンを構築し、
日系自動車産業のグローバル展開に
大きく貢献している。

KEY PERSON

工業樹脂本部
自動車材料部長

亀井 利安
Toshiyasu Kamei

01 現地調達の
新たなスキームを

三菱商事プラスチックはこれまで、日系自動車メーカー、部品メーカーの海外の生産拠点に向けて、日系サプライヤーの原料樹脂を供給してきた。しかし、海外での自動車販売競争が激化する中、生産コスト低減が各メーカーの喫緊の課題に。亀井は言う。「もはや日本から原料樹脂を輸出するビジネスではお客様のニーズに対応できません。問われるのは、現地でいかにコストを低減し、かつ高品質のものを調達するかです。」

日系自動車メーカーが進出するエリアごとに、“現地調達“を軸とする新たなサプライチェーンをつくりあげること。それが、日系自動車産業を支える三菱商事プラスチックのミッションだ。「日系企業として慣れ親しんでいない、少々ハードシップが高いエリアへの進出も増え、私たちがサプライチェーンをつくるにあたっては多くの困難が予想されました。」

02 物流インフラを
構築することから

例えば、日系自動車産業が集中的に進出したメキシコのバヒオ地区は、自動車のようなハイエンドな工業製品を生産していないエリア。したがって在庫・物流などの原材料供給サービスに必要なインフラも整っていなかった。そこで導入したのが、1台のトラックに複数顧客の製品を載せ、複数箇所を回って納入する“ミルクラン”と呼ばれるデリバリーシステムだ。「現地のドライバーには時間通りに物を届ける習慣がなく、ミルクランの文化もありません。日本式のやり方を理解してもらい、システムとして根付かせるのは非常に困難でした。」

強みとなったのは、三菱商事の北米拠点との連携だ。「サプライヤーとしてアメリカ系企業を起用し、そのメキシコブランチのローカルスタッフとともにビジネスをセットアップしていきました。」この間、亀井は現地への出張を繰り返し、また部員を現地へ長期派遣して現地でのコミュニケーションを増やし、ローカルスタッフとの意思疎通と課題の共有を図った。その努力が実り、4年を経た現在はスタート時と比べコストが半減し、品質やデリバリー上のトラブルも劇的に低減させるに至っている。

03 納期、コスト、品質、
すべてを追求

日系自動車メーカーA社のインドネシア新工場立ち上げに際しての取り組みでは、以前から取引のあるタイのサプライヤーとパートナーシップを組んだ。A社のタイ工場にも原料樹脂を供給していたが、「タイから輸出、インドネシアへ輸入」となると、新たなオペレーションの構築が必要になる。「自動車メーカーの工場が一つ立ち上がって原材料などを輸入することになると、港の通関も混雑します。また、インドネシア・ジャカルタの道路はある程度整備されているものの大渋滞で有名。しかし、A社のみならず、A社に製品を納入する複数の部品メーカーへの原料樹脂の供給が遅れると自動車の製造がストップしてしまうため納期はマストです。悪環境の中で納期を遵守する仕組みをつくる難しさがありました。」

さらなる高い壁は、安定生産はもちろん品質に決して妥協しないA社の姿勢だ。「A社は継続的にイノベーションを追求しています。そのため私たちも常により良いものを供給すべく、サプライヤーと協働し、企画立案、お客様への提案、折衝を繰り返しています。」

バンパーの現物を確認しながら打ち合わせをしているタイのローカルスタッフと当社社員
倉庫にて原料の打ち合わせをしているインドネシアのローカルスタッフと当社社員

04 新たな素材を開発し、
ビジネスを生み出す

三菱商事プラスチックは、グローバル・サプライチェーンの構築により、日系自動車メーカーのグローバル展開を支えるとともに、原料の高度化にも寄与していこうと考えている。「昨今の自動車産業の大きなテーマの一つは軽量化。軽量化に資する素材として原料樹脂の需要が高まっています。そうした追い風の中で、新たな素材の検討を始めています。例えば、海外24カ国に製造拠点を持つメガサプライヤーへの素材開発の提案もその一つ。採用されればグローバルに供給できる体制が実現できます。」

また、合成樹脂とスチールを組み合わせたマルチマテリアルの可能性も追求している。「合成樹脂とその他の素材を総合的に扱えるのは、三菱商事グループだからこその強み。ここに大きなチャンスがあります。」
グローバル・サプライチェーンを維持・進化していくとともに、新たな素材を開発し、自らが事業主体となってビジネスを動かしていく。それが、亀井が描くビジョンだ。

三菱商事 石油・化学グループ の一員として、
生活に密着したプラスチック
並びにあらゆる関連商品を生み出す原料から
製品として使用される現場まで、
皆様のいかなるニーズにも
パートナーとしてお応えします。